医療福祉の税務情報
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文書作成日:2018/04/15


 平成30年度税制改正により、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置」の適用期限が2年延長されました。今回はこの制度を改めて確認します。


◆中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長

 従業員1,000人以下の中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)できる特例措置について、その適用期限を2年延長(平成32年3月31日まで)する。これは、所得税においても同様の延長がされる。



 この「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置」(以下、当該制度)は、期限が定められている特例措置のうち、法人税率の軽減措置に次いで適用法人数が多く、財務省が作成した「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」によれば、平成28年度で51万を超える法人が適用していました。
 それでは当該制度について、改正を踏まえた概要を以下にご紹介します。


1.当該制度の概要

 中小企業者等が一定期間内に取得等し、かつ、当該中小企業者等の事業の用に供した取得価額が30万円未満である減価償却資産で一定のもの(以下、少額減価償却資産)について損金経理をしたときは、その損金経理した金額の合計額が事業年度単位で300万円(事業年度が12ヶ月に満たない場合には月数按分が必要)に達するまで、その事業年度の損金として認めてもらえます。


2.中小企業者等の定義

 この場合における“中小企業者等”とは、次のいずれの要件にも該当する法人をいいます。

  1. (1) 青色申告法人であること
  2. (2) 中小企業者又は農業協同組合等であること
  3. (3) 常時使用する従業員の数が1,000人以下であること

 また上記(2) の“中小企業者”とは、資本(又は出資、以下同じ。)の有無に応じて、それぞれ次に掲げる法人です。

  1. @ 資本がある場合
    …その資本金の額が1億円以下であること
    ただし例え1億円以下であっても、次の法人に発行済株式総数(出資総額)の2分の1以上を所有されている法人や2以上の大規模法人に発行済株式総数(出資総額)の3分の2以上を所有されている法人は、“中小企業者”にはなれません。
    1. 常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    2. 同一の大規模法人(資本金の額が1億円を超える法人又は資本がない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人で、中小企業投資育成株式会社を除く。)
  2. A 資本がない場合
    …常時使用する従業員の数が1,000人以下であること


3.一定期間とは

 この場合における“一定期間”とは、『平成18年4月1日から平成32年3月31日まで』の期間です。


4.取得価額が30万円未満であること

 取得価額が30万円未満の減価償却資産であることが要件です。
 この場合における“取得価額”の単位は、通常の減価償却資産の取得価額の判定と同じで、「通常1単位として取引されるその単位ごと」です。

例.
  ・応接セット…テーブルといすで1単位
  ・部屋のカーテン…1部屋ごとの合計


5.併用適用ができない

 他の租税特別措置法上(研究開発税制を除く)の圧縮記帳・特別償却・税額控除との併用適用はできません。
 また、取得価額が10万円未満の少額の減価償却資産、20万円未満の一括償却資産の損金算入制度(3年間で償却する制度)の適用を受ける場合にも当該制度は適用することができません。


6.適用要件

 実際に適用を受ける場合には、次のいずれの要件も満たす必要があります。

  1. 損金経理すること
  2. 申告の際に明細書(別表十六(七))を添付すること


 なお、上記5. にあるとおり、取得価額が30万円未満といえば、取得価額が10万円未満の少額の減価償却資産や、20万円未満の一括償却資産の損金算入制度の適用も考えられます。これらについては償却資産税の対象にはなりませんが、当該制度は対象になります。特に、「20万円未満の一括償却資産の損金算入制度」の選択も可能な場合には、当該制度とどちらを適用した方が総合的に有利なのか、慎重な検討が求められます。


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