医療福祉の労務情報
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文書作成日:2017/03/31


 今回は、採用面接で持病の確認をすることについての相談です。




 自動車運転中に、てんかんの発作が起きたことで事故が発生したというニュースを時折耳にしますが、当院では送迎業務があるため、不安に感じることがあります。その対策として、今後採用面接時に、応募者に対して持病の有無について確認したいと思いますが、問題はないでしょうか?




 従事する業務によっては、持病により支障が生じる可能性もあることから、確認の必要性は高いといえます。もっとも、持病を有することによって、採用段階において差別的な取扱いがないような配慮は、欠かさないように注意しなければなりません。




 送迎業務がある中で、自動車の運転をする職員が何らかの持病によって事故を起こしてしまうことに不安を感じる経営者は少なくありません。最近は、てんかん等の発作による事故が、しばしばマスメディアによって報道されていますので、新たに採用する職員に持病の有無を確認したいというご相談を受けることはよくありますが、プライバシーに関する問題だけに慎重に考えなければならないでしょう。

 採用面接時に持病の確認をすることは、労働安全衛生規則第43条における雇入時の健康診断の項目のひとつに既往歴及び業務歴の調査が設けられていることから、一定の根拠があるように思われますが、そもそも健康診断は医師が実施するものですので、採用面接官に確認する権限があるわけではありません。それを踏まえた上で、持病によっては業務に支障が生じる可能性があり、有事の際には使用者としての責任を負うことを考えると、その確認の必要性は高いといえます。

 この問題に対して根拠を紐解くと、職業安定法第5条の4において、採用選考等における求職者の個人情報の収集については、「必要な範囲内で」収集等をするようにしなければならないと定められています。そのため、不要な事項は当然ですが、特に差別の原因となる恐れのある事項については差し控えなければなりません。また、公正な採用選考を行う上で、厚生労働省は合理的・客観的な必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施は望ましいものではない、と示しています。

 持病の確認は、送迎を主とした業務を行う者であれば合理的・客観的な必要性が認められやすいと考えられますが、毎日適切に薬を服用し、病状がコントロールされているケースが多いことを考えれば、単に持病を有していることを理由に不採用とすることには問題があります。そういった意味では、面接時に確認をする理由と持病を有していることだけを理由に不採用とするはない旨を伝えた上で、日常的な薬の服用状況や生活上の問題等も含めて持病について確認をしたいところです。同時に質問が興味本位とならないよう、持病以外の質問も様々な角度から投げ掛けて、総合的な人物評価によって採否の判断をすることが面接においては求められます。

 

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